技術提案書

品質管理計画の書き方|検査項目・基準値の具体的な記載例

技術提案書の品質管理セクションで具体性を出す方法。工種別の検査項目・基準値・ISO9001活用の書き方を実例で解説。

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品質管理計画の書き方|検査項目・基準値の具体的な記載例

技術提案書の品質管理セクションは、審査員が「この会社なら安心して任せられる」と判断する根拠となる箇所だ。 しかし、多くの企業が「品質管理を徹底します」という抽象的な表現にとどまり、評価点を取りこぼしている。 本記事では、工種別の検査項目・基準値の具体的な記載例と、ISO9001を活かした品質管理体系の書き方を解説する。


1. 品質管理計画とは?技術提案書での位置づけ

品質管理計画とは、工事目的物が設計図書の要求品質を満たすために、検査項目・基準値・管理方法を体系化した計画書である。技術提案書においては、施工能力と品質確保の意思を具体的に示す最重要セクションの一つだ。

技術提案書における品質管理計画の役割

総合評価落札方式では、品質管理計画の記述内容が評価点に直結する。 国土交通省の技術提案評価基準では、品質確保のための施工体制について、次の観点から評価される。

  • 具体性:検査項目・基準値・頻度が数値で示されているか
  • 実効性:不合格時の対処手順が明確か
  • 体制:担当者・第三者機関の位置づけが明確か

審査員は「計画を実行できる組織があるか」を確認している。 「品質に万全を期す」という表現では評価されない。 検査頻度・測定方法・判定基準を数値で示すことが合否を分ける。

品質管理計画の構成要素

技術提案書に盛り込む品質管理計画は、以下の要素で構成する。

| 構成要素 | 記載内容 | |---|---| | 品質目標 | 設計品質の確保・第三者検査の合格率100% | | 品質管理組織 | 品質管理責任者・担当者・検査機関の役割分担 | | 工種別品質管理計画表 | 検査項目・基準値・検査頻度・検査方法 | | 不合格時の対応手順 | 是正処置・再検査・発注者報告の手順 | | 記録管理方法 | 検査記録の保存・共有方法 |

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2. 工種別の検査項目・基準値の記載例(コンクリート/防水/鉄骨等)

工種別に検査項目・基準値・判定方法を明示することが、品質管理計画の具体性を高める核心だ。以下に主要工種の記載例を示す。

コンクリート工事の品質管理計画

コンクリート工事は品質管理の基本工種であり、受入検査と施工管理の両面から計画を立てる。

【受入検査の記載例】

| 検査項目 | 規格値(基準値) | 検査頻度 | 検査方法 | |---|---|---|---| | スランプ | 8±2.5cm(設計値8cm) | 1回/150m³以上かつ打設日毎 | JIS A 1101 スランプ試験 | | 空気量 | 4.5±1.5%(AEコンクリート) | スランプ試験と同時 | JIS A 1128 空気量試験 | | 塩化物含有量 | 0.30kg/m³以下 | 1回/150m³ | JIS A 1175 電位差滴定法 | | 圧縮強度 | 設計基準強度以上(fc'=24N/mm²) | 1回/150m³(3本/1回) | JIS A 1108 圧縮強度試験 |

【施工管理の記載例】

| 管理項目 | 管理基準値 | 管理頻度 | |---|---|---| | 打設温度 | 5℃以上35℃以下 | 打設開始・中間・終了時 | | 締固め間隔 | 振動棒挿入間隔50cm以下 | 全打設時間 目視確認 | | 養生期間(普通ポルトランドセメント) | 5日以上(気温15℃以上の場合) | 脱型強度確認後 | | かぶり厚さ | 設計値±10mm以内 | スペーサー配置確認 |

【記載のポイント】

規格値は「○cm以上」という曖昧な表現ではなく、「設計値±○cm」という許容差で示す。 これにより審査員は「管理の厳しさ」を定量的に判断できる。

防水工事の品質管理計画

防水工事は竣工後の漏水リスクに直結するため、施工中の管理と完了検査の両面から計画を示す。

【施工管理の記載例(ウレタン塗膜防水)】

| 検査項目 | 基準値 | 確認方法 | |---|---|---| | 塗膜厚(平場) | 3.0mm以上(許容下限2.7mm) | ピンホール検査器・膜厚計 | | 塗膜厚(立上り) | 2.0mm以上(許容下限1.8mm) | 膜厚計 全数確認 | | 接着強度 | 0.5N/mm²以上 | 引張接着試験(代表箇所) | | 目視確認 | ピンホール・気泡・剥離なし | 全面目視+散水試験 |

【完了検査の記載例】

散水試験は、全面散水(散水圧0.3MPa以上、30分以上)を実施し、漏水・染み込みがないことを確認する。 試験結果は写真・動画で記録し、発注者立会のもとで実施する。

鉄骨工事の品質管理計画

鉄骨工事は製作段階から現場施工まで、段階別に品質管理計画を示す必要がある。

【工場製作段階の記載例】

| 検査項目 | 基準値 | 検査方法・タイミング | |---|---|---| | 溶接部(超音波探傷) | 欠陥なし(JIS Z 3060 2等級以上) | 完全溶込み溶接部の全数検査 | | 鋼材寸法 | 設計寸法±3mm以内 | 製作完了後の自社検査+第三者検査 | | 高力ボルト孔径 | M22の場合:φ24±0.3mm | 全数計測 | | 塗装膜厚(錆止め) | 25μm以上 | 電磁膜厚計(5点/1部材) |

【現場建方段階の記載例】

| 管理項目 | 管理基準値 | 確認方法 | |---|---|---| | 柱の垂直精度 | H/1000以下かつ10mm以下 | トランシット・下げ振り | | 高力ボルト締付け | 設計軸力の±10%以内 | トルク係数確認+マーキング検査 | | 溶接部外観 | アンダーカット深さ0.5mm以下 | 全溶接線の目視検査 |

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3. 具体性で差をつける品質管理計画の書き方

具体性のある品質管理計画は、検査項目・基準値の列挙だけでは完成しない。「誰が・いつ・どの方法で管理するか」という実施体制と手順を示すことで、評価が大きく変わる。

審査員が高評価する記述パターン

パターン1:数値で示す管理基準

×「コンクリートの品質管理を徹底する」 ○「スランプ試験を150m³毎に実施し、規格値(8±2.5cm)から逸脱した場合は直ちに打設を中断し、工場に配合変更を指示する。再試験で規格値内を確認してから打設を再開する」

パターン2:不合格時の対応フローを示す

品質管理計画の信頼性は、不合格時の対処手順に現れる。以下の流れで記載する。

異常検知 → 打設中断 → 品質管理責任者への即時報告
→ 原因究明(配合・運搬時間・気象条件の確認)
→ 是正処置の決定 → 発注者・監督員への報告・承認
→ 是正後の再検査 → 再発防止策の記録

パターン3:第三者機関の活用を明示する

社内検査のみでなく、第三者検査機関の活用を記載すると信頼性が増す。

「コンクリート圧縮強度試験は、社内品質管理担当が採取した供試体を、○○試験センター(第三者機関)に依頼し、28日強度を確認する。試験成績書は発注者に提出する」

品質管理体制図の作成方法

品質管理計画には、組織図とともに「誰が何を管理するか」を明確にした体制図を添付する。

記載例:品質管理組織

現場代理人(総括責任者)
 └── 品質管理責任者(○○ 主任技術者)
      ├── コンクリート担当:○○(現場技術者)
      ├── 防水担当:○○(専門工種担当)
      └── 検査立会:○○試験センター(第三者機関)

体制図には、担当者の資格(コンクリート技士・施工管理技士等)も記載する。 資格保有者が担当することで、専門性が伝わる。


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4. ISO9001を活かした品質管理体系の書き方

ISO9001の認証を取得している企業は、その体系を技術提案書の品質管理計画に積極的に組み込むべきだ。経営事項審査(W8項目)では最大14点の加点要素となるだけでなく、品質管理体系の信頼性を第三者が保証する根拠になる。

ISO9001認証の記載方法

技術提案書でISO9001を活かす場合、単に「ISO9001認証取得済み」と記載するだけでは評価されない。 品質マネジメントシステムの具体的な仕組みを、本工事にどう適用するかを示す必要がある。

効果的な記載例:

「当社はISO9001:2015の認証を取得しており、本工事においても同規格に準拠した品質マネジメントシステムを適用する。具体的には以下の体制で品質管理を実施する。

①品質計画:着工前に工種別品質管理計画表を作成し、発注者の承認を得る ②工程内検査:各工種の検査項目・基準値に基づき自主検査を実施する ③不適合管理:規格値逸脱を検知した場合は是正処置手順書に従い対応する ④内部監査:月1回の内部品質監査により、計画の実施状況を確認する ⑤記録管理:全検査記録をクラウドシステムで管理し、発注者が閲覧可能な状態にする」

ISO9001の「PDCA」を品質管理計画に組み込む

ISO9001の核心はPDCAサイクルの継続的実施だ。技術提案書においても、このサイクルを工事品質管理に落とし込んで説明する。

| フェーズ | 内容 | 頻度・タイミング | |---|---|---| | Plan(計画) | 工種別品質管理計画表の作成・承認 | 着工前 | | Do(実施) | 検査実施・記録・不合格時の是正 | 施工中 随時 | | Check(確認) | 品質管理記録のレビュー・傾向分析 | 月1回 工程会議 | | Act(改善) | 是正処置の効果確認・計画の見直し | 四半期毎 |

ISO未取得企業の対応方法

ISO9001未取得でも、同等の品質管理体系を独自に構築していることを示せば評価される。 重要なのは「仕組みが存在し、機能していること」だ。

「自社品質マネジメント基準(○○株式会社QM基準 第○版)に基づき、以下の品質管理体制を構築する。同基準は国土交通省の土木工事施工管理基準に準拠しており、過去○件の同規模工事で実績がある」

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5. よくある質問(FAQ)

Q1. 品質管理計画表はどこまで詳細に書くべきか?

技術提案書のページ制限内で、評価対象工種の主要検査項目を網羅することが基本だ。 すべての検査項目を列挙する必要はなく、発注者が重視する工種・難易度の高い施工箇所に絞って具体的に記載する方が高評価につながる。 特記仕様書で指定された管理項目は必ず含めること。

Q2. 基準値は設計図書の数値をそのまま書けばよいか?

設計図書の規格値をベースとしながら、社内管理基準値を設定して記載するとより効果的だ。 例えば「規格値スランプ8±2.5cmに対し、社内管理目標値は8±1.5cmとし、より厳格な管理を行う」という記載は、品質管理への積極的な姿勢を示せる。

Q3. 第三者検査機関の名称は具体的に書くべきか?

提案段階では「第三者試験機関に依頼する」と記載し、機関名は確定後に施工計画書で示す形が一般的だ。 ただし、過去に活用実績のある機関名を記載することで信頼性が増す場合もある。 発注者の要求事項を確認してから判断するとよい。

Q4. 品質管理計画と施工計画書の違いは何か?

技術提案書の品質管理計画は「品質確保の意思と体制」を示すための概要計画だ。 施工計画書の品質管理計画は工事着手後に詳細を詰めた実施計画書であり、より詳細な手順・様式を含む。 技術提案書では「何を・どのように・どの基準で管理するか」を簡潔に示すことが求められる。

Q5. 過去の不合格事例や是正処置の実績は書いた方がよいか?

是正処置の実績は積極的に記載すべきだ。 「過去○件のコンクリート受入検査で○件の規格値逸脱を検知し、全件について是正処置を実施した。その結果、最終的な品質確保率100%を達成した」という記載は、品質管理体制の実効性を証明する有力な根拠となる。

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まとめ

品質管理計画の書き方のポイントを整理する。

1. 数値で示す 検査項目・基準値・検査頻度をすべて数値化する。 「品質管理を徹底する」という表現は評価されない。

2. 工種別に具体化する 主要工種(コンクリート・防水・鉄骨等)ごとに検査項目と基準値を一覧表で示す。 発注者が重視する工種に重点を置いた構成にする。

3. 不合格時の手順を明示する 規格値逸脱時の対応フロー(中断→報告→是正→再検査)を記載する。 この手順が明確なほど、審査員の信頼を得られる。

4. ISO9001を活かす ISO9001認証企業は、PDCAサイクルへの適用方法を具体的に記載する。 未取得企業は自社品質基準の存在と実績を示す。

5. 体制を可視化する 品質管理責任者・担当者・第三者機関の役割を組織図で明確にする。 担当者の保有資格を記載し、専門性を証明する。

品質管理計画は、施工後の瑕疵リスクを低減する観点から発注者が最も注目するセクションの一つだ。 具体性と実効性を兼ね備えた記載が、技術評価点の底上げに直結する。


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