工種別提案書

電気設備工事の技術提案書|LED化・受変電設備で加点される書き方

電気設備工事の技術提案書でLED化・受変電設備改修・自動火災報知設備の記載方法を解説。停電対策・既存設備との整合性確保など加点につながる具体的な書き方を示す。

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電気設備工事の技術提案書|LED化・受変電設備で加点される書き方

電気設備工事の技術提案書は、建築工事や土木工事と比べて「何を書けば加点されるか」が見えにくい。 LED化・受変電設備改修・自動火災報知設備の更新工事では、省エネ効果の数値化・停電リスクへの対応策・既存設備との整合性の3点が評価の分岐点となる。 本記事では、総合評価落札方式における電気設備工事の技術提案書について、工種別の加点ポイントと具体的な記載例を実務ベースで解説する。


1. 電気設備工事の技術提案書で評価されるポイント

電気設備工事の技術提案書で評価されるポイントとは、省エネ効果・停電リスク低減・既存システムとの整合性の3領域を数値と工法で具体的に示したものである。

電気設備工事は他の工種に比べ、発注者が技術的な優劣を判断しにくいという特徴がある。 そのため審査員は、「何をするか」ではなく「どのように実施し、どの程度の効果をもたらすか」を示した提案を高く評価する。 以下に、電気設備工事特有の評価3領域を整理する。

評価領域1:省エネ・CO2削減効果の定量化

国土交通省の総合評価落札方式ガイドライン(令和6年版)では、工事目的物の性能向上に関する提案を評価項目として位置づけている。 電気設備工事においては、LED化・高効率変圧器への更新・デマンド制御の導入が「性能向上」にあたる。

加点される提案は次の3条件を満たす。

  • 現状の消費電力量(kWh/年)を設計図書等から明示している
  • 提案工法・機器採用後の削減率(%)と削減量(kWh/年)を試算している
  • 削減効果の算出根拠(器具スペック・稼働時間・負荷率)が示されている

「省エネに貢献します」という記述だけでは評価されない。 数値の根拠を示すことで、提案の信頼性が格段に高まる。

評価領域2:停電リスクと施設利用者への影響最小化

電気設備工事は、施工中に施設の一部または全体を停電させる必要が生じる場合がある。 営業中・執務中の施設においては、停電の時間帯・回数・範囲をいかに最小化するかが評価の核心となる。

審査員が確認するのは次の点だ。

| チェック項目 | 低評価の記述例 | 高評価の記述例 | |---|---|---| | 停電時間 | 「極力短縮します」 | 「夜間22時〜翌6時の停電作業とし、1回あたりの停電時間を4時間以内に抑える」 | | 停電回数 | 「回数を最小にします」 | 「フロア単位の段階的施工により停電回数を3回から1回に削減する」 | | 代替手段 | 「対応します」 | 「移動式発電機(60kVA)を待機させ、医療機器・防災設備への無停電を保証する」 |

評価領域3:既存設備・他設備との整合性確保

電気設備工事では、既存の分電盤・幹線・弱電設備との接続整合が品質確保の要となる。 既存図面が実態と相違するリスクも高く、事前調査計画を具体的に記載した提案が評価される。

加点につながる記載事項は以下のとおりだ。

  • 既存幹線の電圧降下・電流容量の事前確認手順
  • 既存接地系統と新設接地との整合確認方法
  • 竣工図不備時の対応方針(実測調査の実施・フロー図の添付)
  • 消防用設備・通信設備との干渉確認の実施タイミング

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2. 照明LED化工事の提案書の具体的な書き方

LED化工事の提案書とは、現状照明の消費電力を基準値として、交換後の削減効果・照度品質・施工方法・廃棄処理までを一体的に記述した提案文書である。

LED化工事は提案内容が比較的標準化されているため、記述が「カタログ情報の転記」になりがちだ。 審査員が評価するのは、当該施設固有の条件を踏まえた提案かどうかである。

2-1. 省エネ効果の算出と記載方法

LED化の提案書では、省エネ効果の試算を数式ベースで記載することが原則だ。 以下の計算式と記載例を参考にしてほしい。

試算の基本式

年間削減電力量(kWh)=(現行器具消費電力 − LED器具消費電力)× 1日点灯時間(h)× 年間稼働日数

記載例(庁舎廊下照明の場合)

本工事対象の廊下照明は蛍光灯40W直管×480灯(安定器込み52W/灯)であり、 現行年間消費電力量は52W×480灯×12h/日×240日=71,884kWhである。 提案するHf型LED照明(22W/灯)への交換後は、 22W×480灯×12h/日×240日=30,413kWhとなり、 年間削減量は41,471kWh、削減率は57.7%となる。 CO2換算削減量は約20.3t-CO2/年(電力排出係数0.000489t-CO2/kWh使用)である。

この水準の具体性がなければ加点には至らない。

2-2. 照度・配光の品質確保

LED化後に照度不足や不均一が生じると施設利用者に支障をきたす。 発注者はこのリスクを事前に対処できる業者かどうかを判断するため、以下の記載が評価される。

加点につながる記載項目

  • 照度シミュレーション(AGIやDialux等のソフトウェアによる計算)の実施
  • JIS Z 9110に基づく維持照度基準値との適合確認(事務室750lx・廊下200lx等)
  • 光源色(色温度)の均一性確保方針(既設照明区域との境界処理を含む)
  • グレア防止対策(ルーバー付き器具・配光角指定)の根拠

2-3. 施工方法の記載:工事区分別の対応

LED化工事には主に3つの施工方式があり、既存器具の状態・安定器の有無・予算条件によって選択が異なる。 提案書では採用する方式と理由を明示する。

| 施工方式 | 特徴 | 提案書への記載ポイント | |---|---|---| | 器具一体交換方式 | 器具ごと撤去して新設LED器具に交換 | 廃棄発生量・廃棄処理計画を明記 | | バイパス工事方式 | 既存器具の安定器を撤去し直結配線へ改造 | 絶縁抵抗測定・結線図の添付 | | 直管LED差替方式 | 既存安定器を活用してLEDランプのみ交換 | 安定器適合確認・発熱リスク対策を記載 |

既存安定器との不適合を見落とした場合、発煙・発火リスクが生じる。 「既存安定器全数の型番確認と適合チェックリストを施工前に提出する」という記載は、品質管理の実効性を強く示す。

2-4. 廃棄物処理と環境負荷低減

蛍光灯器具の撤去では、PCB含有安定器(昭和52年以前製造品)の有無確認が義務となる。 提案書に以下の記載があると環境管理の観点から加点される。

  • 撤去前のPCB含有安定器スクリーニング調査の実施計画
  • 廃蛍光管の適正処理(収集運搬業者・処分業者の許可番号の提示方針)
  • 廃棄発生量(㎏)の試算と産業廃棄物管理票(マニフェスト)の交付計画

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3. 受変電設備改修・自動火災報知設備の記載例

受変電設備改修・自動火災報知設備の技術提案書とは、設備更新による信頼性向上と施工中の安全継続を両立させる具体的な工法・体制を記述した提案文書である。

受変電設備や自動火災報知設備は、施設の安全基盤を支える重要設備だ。 提案書では「設備性能の向上」と「施工中の安全確保」の両面を記述する必要がある。

3-1. 受変電設備改修の記載例

受変電設備の改修工事は、設備の更新範囲・停電計画・仮設対応が評価の三本柱となる。

更新範囲と機器選定の記載例

既設キュービクル(昭和62年製・30年経過)の主遮断装置・変圧器・進相コンデンサを一括更新する。 変圧器はトップランナー変圧器(アモルファス鉄心型)を採用し、 現行変圧器(効率95.3%)から高効率品(効率99.0%)への更新により 変圧器損失を年間約1,200kWh削減する。 UL認定品を選定し、機器仕様書・試験成績書を監督員に提出する。

停電計画の記載例

主要切替工事は年次点検(停電)時期に合わせて実施し、施設への影響を最小化する。 切替当日は低圧幹線の仮設ケーブル(CV-T38sq)を事前敷設し、 切替時間を3時間以内に完了させる工程を確保する。 切替完了後30分以内に全回路の電圧・電流確認を行い、監督員に書面で報告する。

既存系統図との整合記載例

竣工図と現況の相違が想定されるため、着工前に全回路の結線確認調査(2日間)を実施する。 調査結果を基に改訂系統図を作成し、監督員の承認を得たうえで施工に着手する。 相違が確認された場合は変更提案書を提出し、設計変更手続きを踏む。

3-2. 自動火災報知設備の記載例

自動火災報知設備の更新工事では、施工中の警報機能維持と系統整合が評価のポイントとなる。

施工中の警報機能維持の記載例

受信機の切替工事において既存受信機の機能停止時間をゼロにするため、 仮受信機(R型・同等機能)を事前に設置し、既存感知器配線を仮受信機へ順次移管する方式を採用する。 工事中は消防署への事前届出(仮設計画書の提出)を実施し、 防火管理者への工程説明と立会依頼を文書で行う。

感知器移設・増設の整合確認記載例

感知器の設置基準(消防法施行規則第23条・感知面積)に基づき、 内装変更エリアの感知器配置を再計算した平面図を提案書に添付する。 既存P型2級感知器(昭和55年製)は耐用年数超過品として全数更新し、 アドレス型感知器への移行により系統管理精度を向上させる。

試験・検査計画の記載例

竣工前に感知器作動試験・発信機試験・地区音響試験を全回路対象に実施し、 試験結果を一覧表(回路番号・試験項目・合否・担当者)にまとめて提出する。 消防検査への立会体制(現場代理人・有資格者)を確保し、指摘事項は検査日内に是正する。

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4. 入札支援AIで電気設備工事の技術提案書を効率化する

電気設備工事の技術提案書は、工種ごとの専門知識・省エネ試算・停電計画・法規確認と、作成に必要な要素が多岐にわたる。 提案書1件あたりの作成工数が5〜10人日かかるという現場の声は珍しくない。

入札支援AIは、電気設備工事の技術提案書作成を大幅に効率化するツールだ。

  • 過去の施工実績・採用機器データを学習し、省エネ試算・記載例を自動生成
  • 発注仕様書から評価項目を抽出し、対応するセクション構成を提案
  • 「加点されない表現」を検出し、具体化のための修正候補を提示
  • LED化・受変電・自動火災報知設備など電気設備工種ごとのテンプレートを保有

実際に入札支援AIを導入した電気設備工事業者からは、「技術提案書の作成時間が従来比40%短縮された」「記述の具体性について審査員から高い評価を得た」という報告が届いている。

技術提案書の品質は受注率に直結する。 ツールを活用して作成効率を高め、営業・現場へのリソース配分を最適化してほしい。

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5. 営業中施設での停電対策・既存設備との整合性確保

営業中施設での電気設備工事とは、利用者・入居者・患者等が在室する状態で停電リスクを管理しながら電気設備を更新する、高度な施工管理が求められる工事形態である。

電気設備工事で最も技術的難易度が高いのが、施設を稼働させたまま施工する「在館施工」だ。 技術提案書でこの課題にどれだけ実効的な対策を示せるかが、受注の可否を決める。

5-1. 停電計画の立案と記載

停電計画は「いつ・どこを・どのくらいの時間・どのような代替手段で」という4要素を具体的に記載する。

停電計画の記載フレームワーク

【停電エリア】○○棟○○フロア(回路番号:P1-○〜P1-○)
【停電日時】令和○年○月○日(土)22:00〜翌02:00(4時間以内)
【代替手段】移動式発電機(60kVA)を1F電気室前に配置し、
            防災コンセント・防犯照明・ELVへの給電を継続
【利用者周知】施工7日前・3日前・前日に館内掲示・メール通知
【中止基準】作業中断の判断基準(異常電流・異音・異臭の検知)と
            復旧フローを明示

5-2. 電源切替の安全手順

在館施工における電源切替は、誤操作が重大事故につながるリスクがある。 以下の安全手順を提案書に明示することで、発注者の不安を解消する。

切替手順の記載例

電源切替作業は、第二種電気工事士以上の有資格者2名による相互確認体制で実施する。 切替前に対象回路のブレーカーOFF確認・検電作業・作業区域の立入禁止措置を完了させる。 切替後は5分間のウォームアップ時間を置いてから電圧・電流の正常値確認を行い、 異常がないことを確認したうえで施設管理担当者へ引渡しを行う。

5-3. 既存設備との整合性確保

電気設備の改修工事では、竣工図と実態の乖離が頻繁に発生する。 既存設備との整合確認が不十分だと、手戻り工事・工期延長・品質不良を招く。

整合性確保の具体的手順

  1. 着工前調査(2〜3日間):現地で系統図・結線図と実態の突合確認を実施
  2. 差異リストの作成:竣工図との相違箇所を写真付きで一覧化し、監督員へ提出
  3. 改訂系統図の作成:実態に即した現況図を作成し、施工図として活用
  4. 他設備との干渉確認:弱電設備(LAN・TV・インターホン)との電磁干渉リスクを検討
  5. 消防設備との整合確認:電気工事に伴う消防設備への影響(感知器・誘導灯の電源系統)を確認

特に注意が必要な干渉パターン

| リスク項目 | 確認内容 | 対処方法 | |---|---|---| | 接地系の混触 | D種接地とC種接地の分離状態 | 接地抵抗測定・必要に応じて接地極の追加設置 | | 電磁干渉 | 弱電ケーブルとの離隔距離 | 金属管配線・シールドケーブルへの変更 | | 過電流保護協調 | 上位ブレーカーとの保護協調 | 動作時間-電流特性の確認・必要に応じてブレーカー選定変更 | | 接続容量不足 | 既存幹線の電流容量 | 電流計測・必要に応じて幹線増設または負荷分散 |

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6. FAQ

Q1. 電気設備工事の技術提案書はA4何枚程度が適切か?

発注機関によって枚数制限(2〜8枚程度)が異なるため、必ず特記仕様書を確認すること。 制限がない場合でも、A4で4〜6枚程度にまとめるのが実務上の目安だ。 情報量より「1読みで伝わる構成」を優先し、図表・数値・箇条書きを積極的に活用する。 枚数が多ければ評価されるわけではなく、審査員が要点を即座に把握できるかどうかが重要となる。

Q2. 省エネ効果の試算で使う数値はどこから取得するか?

省エネ効果の試算には以下の数値ソースを活用する。 既存機器の消費電力は発注者から提供される現況図・機器リスト、またはメーカーカタログで確認する。 年間稼働時間は施設の運用実態(執務時間・稼働日数)を発注者に確認するか、標準値(事務所2,400h/年・学校1,200h/年等)を根拠として使用する。 CO2排出係数は環境省が公表する最新の電力排出係数を使用し、出典を提案書に明記することで信頼性が高まる。

Q3. 受変電設備改修の提案書で「仮電源計画」をどう書くか?

仮電源計画では「電源の供給ルート・容量・期間・復旧方法」を明記する。 移動式発電機を使う場合は容量(kVA)・燃料補給計画・騒音対策(防音型の選定・住宅地では夜間使用制限)を記載する。 隣棟等から仮設電源を供給する場合は幹線ケーブルの経路・電圧降下計算・安全措置を示す。 「仮電源計画図」を添付すると発注者の理解が深まり評価が上がりやすい。

Q4. 自動火災報知設備の改修で消防署への届出を提案書に記載すべきか?

記載することを強く推奨する。 自動火災報知設備の改修工事は、消防法に基づく着工届・設置届の提出が義務となる。 提案書に「消防署への事前協議・届出スケジュール」を明記することで、法規遵守の意識と施工計画の精度を示せる。 特に施工中の機能停止期間がある場合は、消防署との協議結果と暫定対策(火災監視員の配置等)を記載すると加点につながる。

Q5. LED化工事で照度シミュレーションを行わずに提案書を出してよいか?

照度シミュレーションなしの提案書でも失格にはならないが、競合他社が実施している場合は評価で大きく差がつく。 特に用途が特定される空間(手術室・精密作業室・体育館等)では、照度基準を満たす根拠が問われるため必須と考えるべきだ。 DialuxやAGIなどのフリーソフトを活用すれば、比較的短時間でシミュレーション結果を作成できる。 少なくとも代表室の照度計算を添付することで、提案の信頼性が大幅に向上する。


7. まとめ

電気設備工事の技術提案書で加点を得るためのポイントを整理する。

省エネ効果の定量化 LED化・高効率変圧器への更新では、現状値と提案後の数値を計算式込みで示す。 「省エネに貢献」という表現は評価されない。

停電計画の具体化 停電エリア・日時・時間・代替手段・利用者周知の5要素をセットで記載する。 在館施設では「停電時間ゼロ」の仮設計画が高評価につながる。

既存設備との整合性 着工前調査・差異リスト作成・改訂系統図の提出という手順を提案書に明記する。 竣工図と実態の乖離リスクへの対処を示すことで、発注者の信頼を獲得できる。

工種別の専門記載 受変電設備では機器選定根拠・保護協調、自動火災報知設備では施工中の機能維持と消防署届出を必ず記載する。

廃棄物・環境管理 LED化ではPCB含有安定器の確認と廃蛍光管の適正処理計画を忘れずに示す。

電気設備工事の技術提案書は、専門技術の高さを「発注者に伝わる言葉と数値」で表現できるかどうかが勝負だ。 本記事の記載例を参考に、工事ごとの条件に即した提案書を作成してほしい。


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