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自治体の電子入札システムの使い方|東京電子自治体サービス対応ガイド

自治体の電子入札システムの使い方を一から解説。ICカード取得・利用者登録・入札書提出まで東京電子自治体共同運営サービスに対応した実務手順ガイド。

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自治体の電子入札システムの使い方|東京電子自治体サービス対応ガイド

「電子入札を始めたいが何から手をつけてよいかわからない」という声は建設業の現場で絶えない。 ICカードの取得から利用者登録、実際の入札書提出まで、一連の手順は決して複雑ではない。 しかしドキュメントが複数の窓口に分散しており、全体像をつかむまでに時間がかかるのが実態だ。

本記事では、東京電子自治体共同運営サービスを主な対象として、 電子入札の仕組みから入札書提出までを段階的に解説する。 建設工事・工事関連業務の入札担当者が実務ですぐ使える手順を体系的に整理した。


電子入札とは?仕組みの全体像

電子入札とは、国や自治体が発注する公共工事・役務の入札手続きをインターネット上で完結させる仕組みであり、紙による入札書の持参・郵送に代わって電子的な方法で入札を行う制度である。

電子入札が普及した背景

2000年代以降、国土交通省はCALS/ECの一環として電子入札の全国展開を推進してきた。 背景には「談合防止・透明性確保・行政コスト削減」という三つの目的がある。

現在では国土交通省の直轄工事はほぼ全件が電子入札対応となっており、 都道府県・政令市の工事発注でも電子入札が標準化している。 東京都内の区市町村では、**東京電子自治体共同運営サービス(e-Tokyo)**が共通プラットフォームとして機能している。

電子入札コアシステムの役割

全国の自治体が採用する電子入札の多くは、JACIC(日本建設情報総合センター)が開発した 電子入札コアシステムをベースとして構築されている。 コアシステムに対応したシステムであれば、操作方法の基本は共通であるため、 一つのシステムを習得すれば他の自治体のシステムにも比較的容易に対応できる。

電子入札の主なメリット

| メリット | 内容 | |---|---| | 往訪・郵送コストの削減 | 入札書の持参・郵送が不要になり、交通費・人件費を削減できる | | 競争入札への参加機会拡大 | 遠方の発注機関の案件にも低コストで参加できる | | 入札結果の即時確認 | 入札締切後すぐにシステム上で開札結果を確認できる | | セキュリティの強化 | ICカードによる本人確認で不正参加・なりすましを防止できる | | ペーパーレス化 | 入札書・参加申請書類のデジタル化で書類管理が効率化される |

東京電子自治体共同運営サービスとは

東京電子自治体共同運営サービス(e-Tokyo)は、 東京都内の特別区・市区町村・一部事務組合が共同で構築・運営する電子調達プラットフォームだ。 参加自治体は入札参加資格の申請から入札書の提出まで、 共通のシステム上で手続きを一元管理できる体制となっている。

e-Tokyoのコールセンター(0570-05-1090)は平日8:30〜17:15に対応しており、 操作上の疑問点は電話で問い合わせることができる。

入札参加資格の取得手続きについては入札参加資格の取得方法も合わせて参照されたい。


ICカードの取得と利用者登録の手順

電子入札の参加に不可欠なICカード(電子証明書)は、電子入札コアシステム対応の民間認証局から取得する必要があり、取得後に各自治体のシステムへの利用者登録を行うことで初めて入札に参加できる。

STEP 1:ICカードとICカードリーダの購入

電子入札に使用するICカードは、電子入札コアシステム対応認証局が発行したものでなければならない。 コアシステム非対応のカードでは入札システムにログインできないため、必ず対応認証局から購入する。

主な対応認証局には以下のものがある。

| 認証局名 | 備考 | |---|---| | 帝国データバンク電子認証サービス(TDB電子認証) | 企業情報との連携が可能 | | NTTビジネスソリューションズ(e-ProbatioPS2) | NTTグループのサービス | | 三菱電機インフォメーションネットワーク(DIACERT) | 大手メーカー系 | | TOiNX電子入札対応認証サービス | 東北インフォメーション・システムズ |

費用の目安はICカード1枚あたり年間10,000〜15,000円程度、 ICカードリーダは1台あたり10,000円前後だ。 ICカードの有効期限は1〜3年で設定できる認証局が多い。

名義人に関する重要な注意点: ICカードは企業の代表者または委任を受けた担当者の個人名義で発行される。 「会社名義のカード」という概念はなく、担当者が変わった場合は再取得が必要となる。 複数の発注機関に参加する場合でも、1枚のカードで対応できるケースが大半だ。

STEP 2:パソコンの環境設定

ICカードを受け取ったら、入札に使用するパソコンの環境設定を行う。

  1. 電子入札補助アプリのインストール 各認証局または発注機関が提供する補助アプリ(Javaベースのシステムが多い)を導入する。 ブラウザの設定やJava実行環境の確認が必要な場合もある。

  2. ICカードリーダのドライバインストール 購入したICカードリーダに付属するドライバをインストールする。 ドライバのバージョンとOS(Windows)の対応確認を忘れずに行うこと。

  3. 動作確認テスト 認証局が提供するテスト環境、または各自治体の電子入札テストサイトで カードが正常に読み取れるかを確認する。 本番入札前に必ずテストを完了させること。

対応OSはWindows 10・11が標準的だが、macOSへの対応状況は認証局・システムごとに異なる。 MacBookしかない場合は事前に発注機関への確認が必要だ。

STEP 3:利用者登録(e-Tokyoの場合)

e-Tokyoへの利用者登録は、ICカードをカードリーダに挿入した状態で行う。

手順の概要:

  1. e-Tokyoポータルサイト(https://www.e-tokyo.lg.jp/)にアクセスする
  2. 「電子入札システム」メニューから「利用者登録」を選択する
  3. ICカードのPINコードを入力してカード認証を行う
  4. 会社名・代表者名・住所・連絡先などの企業情報を入力する
  5. 登録内容を確認して「登録」ボタンを押す
  6. 登録完了メールを受信して手続き終了

利用者登録は参加を希望する各自治体・発注機関ごとに必要となる場合がある。 e-Tokyoは共同運営システムのため、一度登録すれば参加自治体すべてに適用される点がメリットだ。

登録時の注意点: ICカードの名義人と入札参加資格申請の担当者が一致している必要がある。 名義人が変わった場合は利用者登録の更新(ICカードの変更登録)を行うこと。


入札書の提出方法(ステップバイステップ)

入札書の電子提出は、入札参加申請・案件検索・入札書作成・電子署名・提出の一連のプロセスで構成されており、入札締切時刻を過ぎると提出が物理的に不可能となるため時間管理が最重要である。

全体の流れ

電子入札における案件参加から開札結果確認までのフローは以下のとおりだ。

案件公告の確認
       ↓
入札参加申請(条件付き一般競争の場合)
       ↓
入札参加資格確認通知の受領
       ↓
設計書・図面のダウンロード
       ↓
積算・入札価格の決定
       ↓
入札書の作成・電子署名
       ↓
入札書の提出
       ↓
開札・落札結果の確認

STEP 1:案件の検索と確認

e-Tokyoにログイン後、「入札情報サービス」から参加したい案件を検索する。

  • 発注機関・工事種別・公告日・入札締切日などの条件で絞り込みが可能だ
  • 案件詳細画面では設計書・図面・特記仕様書などの添付ファイルをダウンロードできる
  • 入札参加資格の確認欄(経審点の要件・施工実績の要件など)を必ずチェックすること

入札情報の効率的な収集方法については入札情報の無料検索方法も参照されたい。

STEP 2:入札参加申請(条件付き一般競争入札の場合)

条件付き一般競争入札では、入札書提出前に「入札参加申請」が必要だ。

  1. 案件詳細画面から「入札参加申請書提出」を選択する
  2. 申請書に企業情報・施工実績・配置技術者などを入力する
  3. 必要に応じて実績証明書などを電子ファイルで添付する
  4. ICカードで電子署名を付与して提出する
  5. 発注機関から「参加資格確認通知」を受け取る(通常数営業日以内)

参加資格確認通知が届かない場合は、申請書の提出状況をシステムで確認するか、 発注機関の担当課に直接問い合わせること。

STEP 3:入札書の作成と電子署名

参加資格確認通知を受領したら、入札価格を決定して入札書を作成する。

  1. 案件詳細画面から「入札書提出」を選択する
  2. 入札金額(税抜き)を入力する
  3. くじ番号(システムが自動付与する場合もある)を確認する
  4. 入力内容を確認後、ICカードのPINコードを入力して電子署名を付与する
  5. 「提出」ボタンを押して送信する
  6. 「入札書受信確認通知」が画面上に表示されたことを確認する

電子署名は入札書の「押印」に相当する法的効力を持つ。 PINコードを3回以上連続で誤入力するとICカードがロックされるため、慎重に操作すること。

STEP 4:提出の確認と開札結果の確認

入札書提出後は、受信確認通知を必ず印刷またはPDF保存しておく。 開札は入札締切後、発注機関が設定した日時に行われる。

開札結果はe-Tokyoの「入札結果情報」画面から確認できる。 落札した場合は、発注機関から契約手続きに関する連絡が届く。

締切管理の重要性

電子入札では入札締切時刻を1秒でも過ぎると提出が不可能となる。 「念のため当日に仕上げよう」という先送りは厳禁だ。 締切の3営業日前には入札書の作成を完了させる運用ルールを社内で整備することを強く推奨する。

入札案件の締切管理には入札締切管理ツールの活用も検討されたい。


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よくあるトラブルと対処法

電子入札では、ICカードのエラー・ブラウザの不具合・システムのタイムアウトなど操作上のトラブルが入札直前に発生することがあり、事前準備と対処法の把握が落札機会の損失を防ぐ。

トラブル1:ICカードが認識されない

症状: ログイン画面でカードを挿入してもPINコード入力画面が表示されない。

主な原因と対処法:

| 原因 | 対処法 | |---|---| | ICカードリーダのドライバが古い | 認証局サイトから最新ドライバをダウンロードしてインストールする | | カードの挿入方向・向きが逆 | カードのチップ面の向きを確認して再挿入する | | 補助アプリのバージョンが古い | 発注機関が指定する最新バージョンに更新する | | ブラウザのセキュリティ設定 | Internet ExplorerモードやJavaの例外サイトリストに登録する | | USB接続の不良 | 別のUSBポートに挿し直す、または別のカードリーダで試す |

トラブル2:PINコードを忘れた・ロックされた

電子入札用のPINコードは通常6〜8桁の数字だ。 3回連続で誤入力するとカードがロックされ、入札操作が一切できなくなる。

対処法: 認証局のサポートセンターに連絡してロック解除の手続きを行う。 解除には本人確認書類の提出が必要となる場合があり、数営業日かかることもある。 入札締切が迫っている場合は早急に認証局に連絡すること。

予防策: PINコードはパスワード管理ツールや鍵のかかる書類で安全に管理し、 担当者不在時のバックアップ体制(副担当者のICカード取得など)を整備しておくことを推奨する。

トラブル3:入札書提出後に受信確認が表示されない

症状: 「提出」ボタンを押したが、受信確認通知が画面に表示されない。

対処法:

  1. ブラウザの戻るボタンを押さずに、入札書提出状況一覧から状態を確認する
  2. 「提出済み」のステータスであれば正常に送信されている
  3. ステータスが不明な場合は、発注機関の担当課またはe-Tokyoコールセンターに連絡する
  4. 二重提出を防ぐため、確認が取れるまで「提出」ボタンを再度押さないこと

トラブル4:システムがタイムアウト・フリーズした

長時間の操作や回線速度の低下でシステムがタイムアウトする場合がある。

対処法:

  • 再度ログインして入札書提出状況を確認する
  • 未提出の場合は入力内容を保存した上で再度提出操作を行う
  • 締切直前のトラブルを防ぐため、締切2〜3時間前には提出を完了させること

トラブル5:システムメンテナンスで利用できない

e-Tokyoを含む多くの電子入札システムは、定期メンテナンスのために利用停止時間が設けられている。 メンテナンス情報はポータルサイトのお知らせページで事前に公開されるため、 入札締切日前後の利用停止スケジュールを必ず確認しておくこと。


FAQ

Q1. 電子入札に対応していない自治体への入札はどうすればよいか?

市区町村レベルでは、電子入札未対応の自治体がまだ一定数存在する。 その場合は従来どおり紙の入札書を作成し、持参または郵送で提出する。 対象自治体の入札方式は発注機関のホームページまたは入札公告で確認できる。

なお電子入札の導入は全国的に進んでいるため、 今後数年で電子化が完了する自治体も増える見込みだ。

Q2. 複数の自治体に入札参加したい場合、ICカードは1枚でよいか?

電子入札コアシステム対応の認証局が発行したICカードであれば、 原則として1枚のカードで複数の自治体・発注機関のシステムに登録できる。 ただし一部の発注機関では指定の認証局のカードを要求する場合があるため、 参加予定の発注機関が定める対応認証局一覧を事前に確認すること。

Q3. ICカードの有効期限が切れた場合どうなるか?

有効期限切れのICカードでは電子入札システムにログインできない。 新しいカードへの更新(再取得または継続発行)が必要となる。 更新手続きには数週間かかる場合があるため、有効期限の3ヶ月前を目安に更新手続きを開始することを推奨する。 有効期限はICカード本体または認証局のマイページで確認できる。

Q4. 入札参加申請と入札書提出の締切日が異なるがどちらが優先か?

入札参加申請と入札書提出はそれぞれ別の締切日が設定されている。 一般的には「入札参加申請締切→参加資格確認→入札書提出締切」の順で手続きが進む。 入札参加申請を締切日までに提出しなければ、その後の入札書提出自体ができなくなる。 案件ごとに二つの締切日を必ず確認し、入札締切管理ツール等で漏れなく管理することを強く勧める。

Q5. 一般競争入札と指名競争入札で電子入札の手順は変わるか?

基本的な操作(ICカードによるログイン・電子署名・入札書提出)は共通だ。 主な違いは「入札参加申請の要否」にある。 条件付き一般競争入札では参加申請と資格確認が必要だが、 指名競争入札では発注者から指名通知が届いた後に直接入札書を提出するケースが多い。 案件ごとの手続きフローは公告文または入札説明書に明記されている。

両方式の違いの詳細は指名vs一般競争入札の違いを参照されたい。


まとめ

電子入札への参加は、ICカードの取得から始まり、利用者登録・入札書提出という一連のプロセスで構成される。 各ステップの要点を以下に整理する。

| ステップ | 要点 | 注意点 | |---|---|---| | ICカードの取得 | 電子入札コアシステム対応認証局から購入する | 名義人は代表者または委任担当者の個人名義 | | 環境設定 | 補助アプリ・カードリーダドライバを設定する | 本番前にテスト環境で動作確認を実施する | | 利用者登録 | 各自治体システムにICカードを登録する | e-Tokyoは共同運営で一括登録が可能 | | 入札参加申請 | 条件付き一般競争入札では事前申請が必須 | 締切日を入札書提出期限と別に管理する | | 入札書提出 | 電子署名付きで提出し受信確認を保存する | 締切直前の操作は厳禁、3営業日前完了が目標 | | トラブル対応 | ICカードエラー・タイムアウト対策を事前準備する | コールセンター(0570-05-1090)を把握しておく |

電子入札は慣れるまで不安を感じるものだが、一度手順を習得すれば入札業務の効率が大幅に向上する。 まずICカードの取得と環境設定を完了させ、本番前にテスト提出で操作を確認する手順を徹底されたい。

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