技術提案書

環境対策の技術提案|騒音・振動・粉塵対策の具体的な書き方

技術提案書の環境対策セクションの書き方。騒音・振動・粉塵の具体的な対策工法と記載方法、低騒音機械や防音シートの仕様例を解説。

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環境対策の技術提案|騒音・振動・粉塵対策の具体的な書き方

総合評価落札方式の技術提案において、環境対策は頻出の評価項目の一つである。 しかし「低騒音機械を使用する」という一文だけでは、得点につながらない。 発注者が求めるのは、対策工法の根拠・使用機械の仕様・管理基準値・モニタリング手順という一連の具体性だ。

本記事では、騒音・振動・粉塵それぞれの対策工法と、技術提案書への記載方法を実務レベルで解説する。 低騒音機械の仕様記載例・防音シートの選定基準・散水養生の具体的な頻度まで、数値をもとに解説する。


環境対策が評価項目に指定される場面とは?

環境対策が技術提案の評価項目として指定されるのは、工事現場の近隣に住宅・学校・病院・商業施設が存在し、騒音・振動・粉塵による生活環境への影響が懸念される工事においてである。

国土交通省の「総合評価落札方式の実施ガイドライン」では、環境への配慮を施工計画の重要要素として位置付けている。 発注者は入札公告や特記仕様書に「環境保全計画」を評価項目として明記し、点数配分を設定する。

評価項目として指定される主な工事の特徴

下記の条件に一つでも該当する場合、環境対策が評価項目になりやすい。

  • 住居系地域内の工事:第一種・第二種住居専用地域、または住居地域内の工事
  • 昼間・夜間制限時間帯のある工事:発注者が騒音発生時間帯を制限している工事
  • 市街地での解体・土工工事:振動・粉塵が発生しやすい圧砕・掘削作業を含む工事
  • 通学路・病院近接工事:特に騒音・振動の影響を受けやすい施設の近隣工事

根拠となる法令と規制値

技術提案書に記載する管理基準値は、以下の法令・指針に基づいて設定する。

| 規制項目 | 根拠法令 | 主な基準値(住居系地域・昼間) | |----------|----------|-------------------------------| | 建設作業騒音 | 騒音規制法 | 85dB以下 | | 建設作業振動 | 振動規制法 | 75dB以下 | | 粉塵(浮遊粒子状物質) | 大気汚染防止法 | 0.10mg/m³(日平均) |

技術提案書には「規制値85dB以下に対し、本工事では80dB以下を管理目標値とする」という形で、法令基準よりも厳しい自主管理基準を設定することが高評価につながる。


騒音・振動対策の具体的な工法と記載方法

騒音・振動対策の技術提案では、発生源対策・伝搬経路対策・受音点管理という三つの層に分けて対策を整理し、それぞれに具体的な工法と管理指標を記載することが求められる。

発生源対策:低騒音型・低振動型建設機械の採用

国土交通省は「低騒音型・低振動型建設機械の指定に関する規程」(平成9年建設省告示第1536号)に基づき、型式ごとに低騒音型・低振動型建設機械を指定している。 技術提案書への記載では、指定番号と機械の仕様値を明記することが重要だ。

記載例(バックホウの場合):

掘削作業には国土交通省指定の低騒音型バックホウ(コベルコ建機 SK200-10、0.8m³クラス、音響パワーレベル102dB(A))を採用する。 通常型と比較して約5dB低減となり、敷地境界での騒音レベルを法定基準85dBに対し80dB以下に抑制する。

記載時のポイント:

  • 機械の型式名(メーカー名・型番)を具体的に記載する
  • 音響パワーレベル(LWA)の数値を記載する
  • 一般機種との比較値(○dB低減)を添える
  • 現場境界での推定騒音値を計算して記載する

主要な低騒音型建設機械と目安の音響パワーレベル

| 機械種別 | 一般機(目安) | 低騒音型(目安) | 低減効果 | |----------|---------------|-----------------|---------| | バックホウ(0.8m³) | 約107dB(A) | 約102dB(A) | 約5dB低減 | | クローラクレーン(50t) | 約108dB(A) | 約103dB(A) | 約5dB低減 | | 振動ローラ(3t) | 約110dB(A) | 約105dB(A) | 約5dB低減 | | コンプレッサー(750L/min) | 約104dB(A) | 約97dB(A) | 約7dB低減 |

※音響パワーレベルは機種・出力クラスにより異なる。必ず使用機械の仕様書・カタログ値を確認すること。

作業時間帯の管理

騒音規制法の特定建設作業は、以下の時間帯に制限される(第1号区域の場合)。

  • 作業禁止時間:午後7時~翌午前7時
  • 1日の作業時間上限:10時間以内
  • 連続作業可能日数:6日以内(日曜・休日は禁止)

技術提案書には「特定建設作業の実施時間帯を午前8時から午後5時30分に限定する」「作業計画書に時間帯制限を明記し、現場代理人が日次で確認する」という形で管理フローを記載する。

低振動工法の選択と記載

杭打ち・矢板打設における振動対策は、工法選択そのものが評価対象になる。

打撃工法から低振動工法への変更例:

| 工法 | 振動レベル(敷地境界目安) | 特徴 | |------|--------------------------|------| | ディーゼルハンマー工法 | 75〜85dB | 打撃音・振動ともに大きい | | 油圧ハンマー工法 | 65〜75dB | 打撃音は残るが低減 | | 静的圧入工法(サイレントパイラー) | 55〜65dB | 振動・騒音ともに大幅低減 | | プレボーリング+根固め工法 | 50〜60dB | 地盤掘削後に圧入するため低振動 |

記載例:

鋼矢板打設には静的圧入工法(サイレントパイラー、GRB工法)を採用する。 打撃を一切使用しないため、敷地境界での振動レベルを振動規制法基準75dBに対し65dB以下に管理できる。


粉塵対策・散水養生の書き方

粉塵対策は、発生源への直接散水・搬送経路の防塵養生・場内清掃という三段階の対策を組み合わせ、それぞれの実施頻度・使用機材・管理濃度を具体的に記載することが求められる。

粉塵の規制根拠と管理基準値

粉塵(建設工事由来の浮遊粒子状物質)については、大気汚染防止法および各都道府県条例が根拠となる。 敷地外への粉塵飛散防止は、労働安全衛生法(粉じん障害防止規則)と合わせて管理する。

作業者の許容濃度:5mg/m³以下(総粉塵、厚生労働省) 近隣住民への目安:0.20mg/m³以下に抑制

技術提案書では「粉塵濃度の自主管理基準を敷地境界において0.20mg/m³以下とし、粉塵計(デジタル粉塵計)による日次測定を実施する」と記載する。

散水養生の具体的な記載方法

散水養生は「いつ・どこに・どの頻度で」行うかを明示することが重要だ。

記載例(土工工事の場合):

掘削・盛土作業中は、散水車(タンク容量5,000L)による散水を午前・午後各1回、計2回実施する。 強風時(風速5m/s以上)や乾燥注意報発令時は散水頻度を3時間に1回に増加する。 作業終了後も土砂表面の乾燥を防ぐため、養生シートによる覆土または散水を実施する。

散水箇所別の管理方針:

| 散水箇所 | 実施頻度 | 散水機材 | |----------|---------|---------| | 掘削・盛土作業面 | 午前・午後各1回(通常時) | 散水車(5,000L)、ホース散水 | | 場内仮設道路(土砂運搬路) | 1時間に1回(運搬頻度に応じ増加) | 散水車 | | 搬出入口・出口付近 | タイヤ洗浄機による常時対応 | タイヤ洗浄装置 | | 解体圧砕箇所 | 圧砕機稼働中は連続散水 | 散水設備(専用ホース) |

防塵ネット・養生シートの活用

防塵ネット(メッシュシート)と防音シートの併用は、粉塵と騒音の両方を抑制できるため技術提案の評価を高めやすい。

記載例:

敷地境界の仮囲い(高さ3.0m)に防音防塵兼用シート(透過損失15dB以上、重量800g/m²以上)を取り付ける。 これにより粉塵飛散を80%以上低減するとともに、騒音の敷地外への漏洩を抑制する。


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低騒音機械・防音シートの仕様記載例

技術提案書に低騒音機械と防音シートの仕様を記載する際は、メーカー・型番・認定番号・仕様値を一覧表形式で整理することで、発注者の確認作業を容易にし、提案の信頼性を高められる。

低騒音型建設機械の仕様記載例

技術提案書に添付する仕様一覧の記載例を示す。

【使用建設機械一覧(環境対策仕様)】

No.1 バックホウ
  ・型式:コベルコ建機 SK200-10(または同等品)
  ・バケット容量:0.8m³
  ・エンジン出力:113kW
  ・音響パワーレベル:102dB(A)
  ・国交省低騒音型指定:指定取得(指定番号 確認の上記載)
  ・通常機との比較:約5dB低減

No.2 振動ローラ(締固め用)
  ・型式:酒井重工業 SV512D(または同等品)
  ・質量:11.5t
  ・音響パワーレベル:105dB(A)
  ・国交省低騒音型指定:指定取得
  ・通常機との比較:約5dB低減

No.3 コンプレッサー(可搬型)
  ・型式:北越工業 PDSF750S-4B2(または同等品)
  ・吐出量:750L/min
  ・音響パワーレベル:97dB(A)
  ・国交省低騒音型指定:指定取得
  ・通常機との比較:約7dB低減

防音シートの仕様記載例

仮囲いに設置する防音シートの仕様記載例を示す。

【防音シート仕様】

商品名:防音防塵シート(例:萩原工業 ダイライトロン防音シート)
  ・材質:高強度ポリエステル基布 + PVC樹脂コーティング
  ・質量:800g/m²以上
  ・透過損失:15dB以上(JIS A 1416 準拠測定値)
  ・設置高さ:3.0m(仮囲いフレームに全面展張)
  ・ハトメピッチ:300mm
  ・連結:重ね代200mm以上で気密性を確保
  ・適用範囲:敷地境界全周(延長○○m)

※透過損失15dBは、遮音なしと比較して音のエネルギーを約97%カットする水準である。

遮音壁(仮設防音パネル)の仕様記載例

発生源との距離が近い場合や、高騒音作業が集中する箇所には仮設防音パネルを設置する。

【仮設防音パネル仕様】

商品名:軽量防音パネル(例:日本セイフティー 防音アフィラウォール)
  ・パネル寸法:高さ2,000mm × 幅990mm × 厚さ50mm
  ・質量:約18kg/枚
  ・透過損失:25dB以上
  ・内面吸音材:グラスウール充填(厚さ30mm)
  ・外面遮音板:亜鉛めっき鋼板(0.8mm)
  ・設置箇所:圧砕機・コンプレッサー作業エリア周囲(コの字型に配置)
  ・設置高さ:2.0m(必要に応じて延長・積み重ね)

騒音・振動モニタリングの記載方法

対策の実効性を担保するには、モニタリング計画も合わせて記載する。

記載例:

工事着手前に騒音・振動の現況測定(バックグラウンド値)を実施し、記録する。 工事中は週1回以上、特定建設作業実施日は毎日、敷地境界において騒音計(JIS C 1509-1準拠、A特性)および振動レベル計(JIS C 1513準拠)による測定を実施する。 測定値が自主管理基準値(騒音80dB以下、振動70dB以下)に達した場合は、即時に作業を中断し、対策を強化する。 測定記録は週次で発注者に報告し、必要に応じて近隣住民へ報告する体制を整える。


よくある質問(FAQ)

Q1. 低騒音型建設機械の指定番号はどこで確認できるか?

国土交通省の「低騒音型・低振動型建設機械の指定に関する規程」のページから、現行の指定機械一覧(型式指定一覧表)を確認できる。 また、建設機械メーカーの公式カタログや製品仕様書にも「低騒音型 指定番号○○○」として記載されているため、機械調達先に確認するのが確実だ。 技術提案書には指定番号を明記することで、対策の根拠が明確になる。

Q2. 低騒音型機械の指定がない機種を使用する場合はどうするか?

低騒音型の指定がない機種を使用せざるを得ない場合でも、以下の対応で評価を高められる。 一つ目は、施工総研(施工技術総合研究所)が発行する「建設機械騒音・振動証明書」の取得だ。 これは指定制度の対象外機種でも取得でき、騒音・振動値の第三者証明として機能する。 二つ目は、防音カバー・防振マウントの装着により騒音値を低減し、その効果をカタログ値で示す方法だ。

Q3. 散水頻度は何を根拠に設定すればよいか?

法令上、散水の頻度を具体的に規定した基準はない。 技術提案では、工事の規模・土砂の乾燥しやすさ・風速・近隣状況に応じた合理的な頻度を設定し、その根拠を記載することが重要だ。 「午前・午後各1回」を基本とし、「強風時(風速5m/s以上)・乾燥注意報発令時は頻度を増加する」という可変的な管理方針を示すと、発注者への説得力が増す。

Q4. 騒音の自主管理基準値はどのように設定するか?

騒音規制法の基準値(住居系地域の昼間は85dB)に対して、自主管理基準値は5dB以上低い値を設定するのが一般的だ。 具体的には「管理基準値80dB、警告基準値82dB」というように、警告値と上限値の二段階で設定する。 管理基準値に達した時点で作業を見直し、上限値に近づいた段階で作業を中断するという手順を記載すると、発注者からの信頼度が高まる。

Q5. 提案書に記載する対策の数は多いほど高評価になるか?

対策の数より、対策の具体性・整合性・実現可能性が評価される。 「低騒音機械の採用・防音シートの設置・散水養生・モニタリングの実施」という4つの対策を、それぞれ仕様値・頻度・管理基準値付きで記載するほうが、10項目を羅列するよりも高評価につながりやすい。 評価者(発注者の技術職員)は、実際に施工できる内容かどうかを見ている。 過剰な対策を列挙すると、かえって「コスト的に実現不可能では?」という疑念を生む。


まとめ

技術提案書の環境対策セクションで高評価を得るには、以下の5点を押さえることが重要だ。

  1. 管理基準値を法令基準より厳しく設定する:騒音なら85dBに対し80dB以下、振動なら75dBに対し70dB以下が目安。

  2. 低騒音型建設機械の型式・仕様値を具体的に記載する:機種名・音響パワーレベル・国交省指定番号を明記する。

  3. 防音シートと仮設防音パネルの仕様を数値で示す:透過損失(dB)・重量(g/m²)・設置高さ・設置箇所を記載する。

  4. 散水養生は頻度・機材・条件変更基準を明記する:「午前・午後各1回、強風時は3時間に1回」という形で可変管理を示す。

  5. モニタリング計画と報告フローを記載する:測定頻度・使用機器・報告先・対応手順をセットで提案する。

環境対策の提案は「何をするか」だけでなく「どの水準まで・どのように管理するか」が問われる。 仕様値と管理フローを一体化した記載が、他社との差別化につながる。

技術提案書の全体的な構成と各セクションの書き方は技術提案書の書き方を参照されたい。 安全管理計画との連動については安全管理計画の書き方で詳しく解説している。 VE提案との組み合わせ戦略はVE提案の書き方を、NETIS登録技術との連携についてはNETIS活用の技術提案を参照されたい。


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